タイム・リープ あしたはきのう 感想、レビュー 凄い。まさしく「時間パズル」

高畑京一郎「タイム・リープ あしたはきのう」感想、レビューです。 ページ数、上巻:225、下巻:207

「タイム・リープ あしたはきのう」の画像検索結果

物語の面白さ:SS

文章:B

キャラの魅力:A

雰囲気、世界観、設定:S

総評:S

あらすじ

鹿島翔香。高校2年生の平凡な少女。ある日、彼女は昨日の記憶を喪失している事に気づく。そして、彼女の日記には、自分の筆跡で書かれた見覚えの無い文章があった。

“あなたは今、混乱している。若松くんに相談なさい…”

若松和彦。校内でもトップクラスの秀才。半信半疑ながらも、彼は翔香の記憶を分析する。

そして、彼が導き出したのは、謎めいた時間移動現象であった。“タイム・リープ―今の君は、意識と体が一致した時間の流れの中にいない…”

第1回電撃ゲーム小説大賞で「金賞」を受賞した高畑京一郎が組み上げる時間パズル。

感想

子供の頃に「時をかける少女」って見ましたけど、本作もまさにあてはまる感じですね。しかし、こちらは自分意思とは無関係に、明日明後日、昨日一昨日、といった短期間の時間跳躍になってます。

自分は記憶を連続して持っているけど、自分がいる時間は連続しておらず、飛び飛びになっていて、若松くんや他の普通の連続した時間の上にいる人間との認識の相違があります。

主人公にとっての明日は若松くんにとっての昨日であり、主人公にとっての昨日が若松くんにとっての明日になる。なんて事になるわけです。

なので、普通の人から見たら主人公はある時は預言者であり、またある時から見れば、ついさっきの出来事すら何も覚えてない(主人公からすればまだその時間は未経験な訳で「知らない」であるが。)変な奴になります。

最終的には普通の人と同じく全ての時間を経験はするのですが、それが連続しておらず、数日数時間飛びこしたと思ったら、今度は数日数時間、巻き戻されるといった日々を主人公は生きます。

それにはある規則性みたいなものがあって、それについては作中で若松くんが説明してくれますが、タイムリープだと「シュタインズゲート」は結構有名ですが、あれと同様、タイムリープの特徴はあくまで「意識だけの時間移動」で同じ時間に自分が二人存在するなんて事はならないって事ですね。

「シュタインズゲート」の画像検索結果

また、「最初に最後を持ってくる」「最後は最初に戻る」って手法も同じでした。もしかしたら本作を参考にした所もあるのかもしれませんね。ただ、似た所、同じ所はあっても本筋は大きく違っていて、簡単に言ってしまうと「シュタインズゲート」は「変える物語」で、本作は「変えない物語」だと思いました。(どっちも非常に面白いですが、私的には、こっちの方が好きかもしれません。)
シュタインズゲートのレビューはこちら(別のブログです)

「時間パズル」とはよくいったもので、意識だけ過去や未来へと時間移動して、空白の時間を埋めていくのですが、そのピースがハマっていく面白さは相当のものがありました。

至る所に伏線が散りばめられていて、それらが見事に回収されますが、「よく矛盾する事なく書ききれたな」ってとても感心してしまいました。

書いた作品は全て面白いと言われる高畑京一郎さんですが、その中でも傑作と言われ、アマゾンでもかなり高評価で、だいぶ期待はしてましたが、それを裏切らない、むしろ期待以上に面白い作品でした。

また、過去と未来とを行き来するので、「えーと、これは・・・」って感じで、後ろのページに戻って出来事を確認したりと、頭を使いながら読みましたが、ここまで頭を使わせてる作品はだいぶ久しぶりでした。

文書も、クリスクロスと同様、無駄が全くなく非常に読みやすい上にストーリーが面白いので一気に読んでしまいました。

後、ちなみに私は最後、というか最初のタイムリープに疑問が残って、少し調べてみたのですが、このサイト様は非常に詳しく解説されてますので、読み終わった後に疑問が残った人は参考にしてみると良いと思います。(まだ読んでない人にはネタバレになるので気をつけてください。)
https://ameblo.jp/rsn48/entry-12203634274.html

キャラ

主人公は普通の女子高生って設定ですが、割とまんまではありますが、とても良い子ですね。

やはりなんといっても、若松くんがかっこいい

一度自分で言った事を曲げずに貫き通す強さと、物事を理論的に考えて問題を解決する冷静さを持ち合わせて、主人公を導きます。傍目には冷徹に見えても、その根っこにはあるのは深い優しさで、「こんなん主人公惚れない方が無理だろ。」ってくらいに男として、別にキザって訳でもないんですけど、言う事やる事全キマってます。

残りは大体モブキャラみたいなもんですが、後半から登場する若松くんの友人である関くんは短いながらも良い役所でしたね。

総評

文句なしに面白かったです。タイムパズルのピースを埋めていく面白さは圧巻でした。

未だ読んでない人には是非手に取って頂きたい一冊です。上下巻とありますが、合わせても350Pぐらいなので、すぐに読んでしまえると思います。

後、後書きでみたいなとこで「クリスクロス」と本作の繋がりみたいなのが描かれますが、別にクリスクロスを読まずに本作から読んでも何の問題もなく楽しめると思います。

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