月の満ち欠け 感想、レビュー 「輪廻転生」について考えるのは面白かったけど・・・

佐藤正午「月の満ち欠け」感想、レビューです。

ページ数:336P


物語の面白さ:B

文章:C

キャラの魅力:C

雰囲気、世界観、設定:A

総評:B

あらすじ

あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか?

三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。

この数奇なる愛の軌跡よ! さまよえる魂の物語は、戦慄と落涙、衝撃のラストへ。

感想

生まれ変わり、輪廻転生がテーマの話です。

こういうテーマで明るい話っていうのもあんまし聞いたことないですが、本作も雰囲気はけっこう暗いです。

人がよく死にますし、その死と生まれ変わりによってその周囲の人間の、順風満帆だったはずの人生が崩壊していったりします。

輪廻転生して生まれ変わった子供は教えてもいない事を知っていたり、出来たりして、その不可解さを周りの人間は当然のように気味悪がったり、気のせいだと思い込もうとしますが、この辺りをなかなかに薄気味悪く描いてます。良くも悪くも。

それが面白いってよりは、私的には「なんか気持ち悪いな。」としか思いませんでした。

終盤になって、点と点が繋がっていき、それまでよくわからなかった事が分かってくるまでは、暗さと気持ち悪さがほとんどといっていい感じでした。

終盤からはラストまでは一気に読んでしまえる程の引き込み度はあり、面白かったですが、「衝撃のラスト!」と言っていた割には可もなく不可もなくなラストでしたし、「結局あいつはどうなったの?」「あいつこれからどうなるの?」っていう気になる所をいくつか残しながら終わってしまったので、私的には「え?これで終わるの?」って感じでちょっと拍子抜けでした。

ラブストーリーとして見るとしても、何度も輪廻転生しても会いたいぐらい好きなのでしょうけど、始まりの二人の出会いの描写からはそれほどまでの愛の深さはあまり伝わってきませんでした。

「輪廻転生、生まれ変わりは果たしてあるのか?」

っていう、考えた方によればある意味素敵とも言える事についてちょっと真面目に考えてみる契機になるという点では面白かったかもしれません。

キャラ

正直、個性的なキャラもいないし、印象に残ったキャラは特にいません。いないんですけど、「輪廻転生」がテーマである以上、ある程度の「人死に」は必須条件なのはわかるんですが、あまりにも死なせすぎな気がしますし、しかも、その死にもそこまで意味があったようにも思えなかったところは残念でした。

総評

つまらなかったとまでは言いませんが、やはり予想外に前半が読んでて気持ち悪かったのと、輪廻転生するほどまでの愛の深さが伝わってこなかったというのはかなり惜しいなと思いました。

しかし、誰でも一度はふと考えた事がある「死んだらどうなるのか?」という今生きてる人間には絶対に答えを出す事が出来ない問題に対して。「もしかしたら輪廻転生なんて事もあり得るのかもしれない。」みたいな事を空想するのは面白かったです。

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私も死んだらある程度の記憶を保持しながら別人に輪廻転生してみたいですね。まあ、死んでみないと何もわかりません。というか、死んだら分かるも何もなくただ終わるってだけな気がしますが。

佐藤正午「月の満ち欠け」名言集です。 小山内堅 名言 「いままで考えなかったことを考える、それは悪いこと...
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